自閉症 理解深めて 来月3日我孫子で男性講演/千葉
自閉症への理解を深めてもらおうと自閉症男性らが講演するイベント「障がい理解コンベンション2012inちば」(障がい理解推進チームWa’s主催)が6月3日、我孫子市のけやきプラザふれあいホールで開催される。
午前10時から、自閉症の青年を主人公にした映画「ぼくはうみがみたくなりました」を上映する。参加料は500円。
午後1〜4時には、会話ができない重度の自閉症と診断を受けながらも、絵本や詩集などを執筆して活躍する東田直樹さんと母美紀さんが講演する。講演会参加料は1500円。
定員は350人で先着順。問い合わせはWa’s代表の大隣裕子さん(090-3428-5328)へ。
新聞掲載の前日に毎日新聞さんから掲載承諾のお電話が・・・
突然のことにビックリ!
柏市の助成金申請時に「もっと一般の方々への開催告知を」と課題をいただいていので、とてもありがたく思いました。(毎日新聞さんへは、ありがとう!感激ですのFAXを送りました!)
では、早速レポートいたします。
当日はあいにくの曇り空でしたが、約200名の方々にお集まりいただきました。
当日参加の方がなんと30名も!
ロビーには障害福祉情報展示コーナーを設け、福祉施設や福祉団体、福祉情報誌のパンフレットや見本誌を展示し、様々な障害福祉情報を提供いたしました。
原作・脚本の山下さんのスピーチ。
「 自己紹介がいらなくて助かるな~(笑)
僕の映画の後に、東田直樹くんが登場することは初めて。
映画で自閉症役の青年を見て、映画が終わったら本物の自閉症の青年が登場する。
すごく説得力のある構成だね!」
今回のご参加者の中に、自閉症の弟を持つ中3のお姉ちゃんがいました。
パンフレットを見て、「私。見に行こうかな」と言ってくれたそうです。
映画終了後、目を少し腫らし、満足そうにお母さんと帰って行ったのが印象的でした。
東田ご一家の真骨頂。質疑応答タイム!
◎直樹くんへの質問
質問1 睡眠障害を持つ自閉症の方が多いですが、こだわりで寝ないのですか?
また、どうしたら睡眠リズムを治せますか?
回答1 こだわりで寝ないのではなく、苦しくて眠れないのです。
規則正しい生活とストレスが減れば治ると思います。
質問2 どんな時が一番幸せと感じますか?
回答2 時間に縛られず好きなことをしている時です。実際はなかなか難しですが・・・
質問3 福祉施設の職員に望むことは?
回答3 障害特性に合った支援は必要ですが、障害者だからと特別扱いはしないで欲しいです。
質問4 一人暮らしを希望していると聞きました。今も希望していますか?
回答4 希望しています。ただお金の管理が難しいです。
一人でできることを徐々に増やしていきたいです。
◎美紀さんへの質問
質問1 音声の出るコミュニケーション・ツールを使ったらいかがですか?
回答1 こちら側が便利と思っても、使う側がそうだとは限りません。
その子の特性に合わせコミュニケーション・ツールを選ぶことが大切です。
質問2 ローマ字入力をされていますが、ローマ字入力は難しいのでは?
回答2 障がいがある子でもプライドがあり、ローマ字入力=カッコイイと思っています。
その気持ち(プライド)を大切にしたいと思います。
質問3 家庭で療育をしていますが、なかなか続きません。
回答3 強制的では飽きてしまいます。またテスト的なことをやってはいけません。
あくまでも遊びの延長で実施することが大切です。
一言一言胸に染み入ります・・・
最後にご参加者からのご感想を掲載し、レポートを終了します。
今回、お忙しい中、また遠方よりご参加いただいた皆様。
山下さん、東田ご一家の皆様(お父様とお姉様にもお越しいただきました)。
そして、私のわがままと情熱にお付き合いいただいたスタッフの皆様。
本当に本当にありがとうございました!
来年度も「障がい理解コンベンション」を開催いたします。
どんな内容になるかな?楽しみにお待ちください!
代表 大隣裕子
昨日は映画・講演会へ参加させていただきありがとうございました。
また講演会最中のお忙しい中、お話しさせていただけて大変恐縮です。
今回の講演会への参加は、私にとって“これまでの自分の考え”や“自閉症の方の捉え方”を改める機会となりました。
文字盤を通して自分の思いを伝える直樹さんの姿は、本を通してイメージしていた姿との大きなギャップにショックを受け、私の自閉症の方の捉え方の浅さを痛感しました。
お母様のお話されたこれまでされてきた取り組みの工夫の数々は、福岡で関わっている方々に活かせるものがほとんどで、お話を聞きながら新しいコミュニケーションの可能性が次々に頭に浮かんできていました。
本当に“目から鱗”な講演会でした。
映画「ぼくはうみがみたくなりました」では衝撃を受け、ここまで自閉症を描いた映画があったのかという驚きと、このような映画があることへの喜びを感じ、涙が止まりませんでした。
今日、自閉症を取り上げるTV番組やドラマを目にすることが多くなってきましたが、これらの番組を観ていて“自閉症者の理解の方向性の違い”や“全く間違った捉え方”をしているように感じる事が多く、憤りやもどかしさを感じていました。
しかし、“ぼくうみ”は自閉症者自身の姿やその方達を支えている家族の思いや葛藤を描いていて、私がこれまで感じていた憤りやもどかしさを解消してくれる作品でした。
長々となりましたが、今回の“障害理解コンべション”に参加できたことは、今後の私の考えや支援の幅を広げることのできたとても貴重な経験となりました。
今回の経験の中で得たものを少しでも福岡の方達に伝えることができるよう今後私も活動して行きます。
Wa’sさんの取り組みが今後さらに広く響き渡ることを願い、感謝のメッセージとさせていただきます。
ありがとうございました。
梶原 翔平
梶原様のご参加の動機
私は今年、作業療法士の専門学校を卒業して今後、発達分野(特に精神発達)を専門とした作業療法士を目指しています。
そのために現在、あえて作業療法士としては活動せず、発達障がい児者へのホームヘルパーをしながら、より地域で生活する発達障がい児者に近い場所から“家族から挙げられる家庭生活のニーズ”や“ご本人のニーズ”“地域生活を送るための様々な課題や目標”“利用されている発達障がいの方々の思いや訴え”“将来の地域生活への思い”を理解し、地域生活に密着した発達分野の作業療法士となるため、様々な研修会や講演会へ参加をして知識や考えを深めていこうと活動しています。
今回の講演会への参加を通して、自閉症の方のモノの捉え方や思い、ご家族の工夫や思いを知ることができたらと考え、得た“思い”や“工夫”を福岡に持ち帰り、地域で生活をする発達障がい児者の暮らしがより良いものになるよう、サポートするためのスキルの1つとして活かしていけたらと思っています。よろしくお願いします。